五旬節の日になって
使徒２：１－１３
2000年前の五旬節（ペンテコステ）の日に、エルサレムの二階座敷で祈っていた120名ほどの人々の上に聖霊が降られた。昇天される前にイエスが与えられた約束（1:4,8）の成就だった。彼らは、徹底的に悔い改め、虚しくなり、渇き、約束を信じて祈り待ち望んだ。
ユダヤ人の三大祭の一つである刈り入れの祭（七週の祭、ペンテコステの祭）で、人々は小麦粉で作ったパンを献げた（ﾚﾋﾞ23:15-17）。これは、本章で初めて教会が神に献げられたことを象徴する。本章から神は、教会をもって悪魔の陣営を倒す目的を持たれる。教会はペンテコステ以来、悪魔と戦い、勝利するものとして神に用いられるのだ。
この祭の特質は次のようになる。(1)心から献げる（申16:10）。(2)心を合わせる（申16:11）。(3)喜んで献げる（同）。(4)神の臨在を感謝する（同）。(5)過去の恵みを忘れない（申16:12）。これは私たちの礼拝の姿だ。
ペンテコステは神のお定めになった時だった。神の時が満ちて、恵みが注がれた。準備の時が満ちたなら、神はいつでも聖霊を注がれる。準備の時とは、私たちが“自己の無能、神の大能”に徹して、全く虚しくなった時だ。それが神の時の満期だ。
聖霊が降られたのは、午前9時の出来事だった。一同は座して祈っていた。その祈りは、①一致の祈り、②熟心な祈り、③集中的な祈り、④信仰の祈りだった。ペンテコステの恵みは、そのような祈りに対する神の応答であり、御言葉が真実であることの証拠だった。信じて従えば必ず御言葉の通りに実現するのだ。
一同は聖霊に満たされた。主イエスは天に昇り栄光を受けられた後、これから世との戦いに出て行く弟子たちに聖霊を与え、戦いの中でも勝利をもって進むことができるようにされた。御霊は私たちを内側から強め、罪と世とサタンに勝利する者にしてくださる（ﾛﾏ8:31,37）。私たちも聖霊に満たされ、主に従い、証しし、戦うクリスチャンになりたい。
聖霊を受けた人々は、他国の言葉で話し出した。もう黙っておれず、神の恵みを証しし出したのだ。周りの人々は自国語で神の恵みを聞いた。これは神の方法だった。神はすべての民を憐れみ、恵もうとされる。
人々は「神の大きなみわざ」（11節）に驚いた。主の十字架－よみがえり－ペンテコステこそ、神の大きな御業だ。私たちに罪の赦しを与え、永遠のいのちにあずからせ、内側の汚れを焼き尽くす聖霊の火の御業によって、私たちは神のものになる。私たちも神の大きな御業を確実にいただいて、主に感謝し、御名を賛美し得る者になりたい。
昔、シナイ山では石の板に律法が記されたが、ペンテコステで魂の内に御心が記され（2ｺﾘﾝﾄ3:3）、私たちは新しい契約の民になる（ｴﾚﾐﾔ31:31-34）。これがペンテコステだ。聖霊が降られたら、肉碑に御旨が刻み込まれ、喜んで神の御心に従う者になるのだ（詩篇40:8）。
聖霊は今も私たちの内に注がれる。自己中心の自分の醜さが分かって、砕かれて十字架のもとに行った魂に、内住のキリストとして聖霊が臨まれるのだ。謙遜と渇きと信仰をもって御前に出て行こう。
そして、そこから遣わされて、地の果てまでキリストの証人となる（使徒1:8）。神は私たちをそういうクリスチャンにしたいと願っておられる。この神の御心に応える者としていただこう。